物語 / フィクション
「寝室を分けてから、会話が減った」
創業12年目の経営者が、いびきと別室と、もう一度同じ部屋で眠るまでの話。

「別の部屋で寝て」と言われたのは、3年前の冬だったと彼は言う。都内でソフトウェアの会社を経営して12年、社員は40人を超えた。言われた夜は腹が立ったが、翌朝には納得していた。自分でも、朝の喉の乾き方でうすうす分かっていたからだ。
「最初はむしろ快適でした。好きな時間に寝て、好きな時間に起きられる。出張の前夜は特に。でも半年くらい経って、気づいたんです。家の中で、妻と一日に交わす言葉が減っている」
寝室は、会話の最後の場所だった
寝る前の10分と、起きてすぐの5分。予定のない、目的のない会話は、その15分にしかなかった。それを失ってから、家での会話はすべて「連絡」になった。子どもの送り迎え、週末の予定、修理の見積もり。
寝室を分けるというのは、静かになることじゃなくて、遠くなることだった。
解決策として最初に試したのは、自分のいびき対策だった。マウスピース、鼻のテープ、横向き寝の枕。効果はあったが、続かなかった。「治す側の努力って、監視されている感じがするんです。今日はどうだった?って毎朝聞かれる」

耳を守る、という方向
転機は、妻のほうが耳栓を試したことだった。「彼女が『これなら同じ部屋でいい』と言ってくれて。僕が変わるんじゃなくて、彼女の耳が守られる。その方向があるとは思っていなかった」
同じ部屋に戻って、まず戻ってきたのは寝る前の10分だった。「静かなんですよ、お互い。彼女は耳栓をしているから、僕の声も小さくしか届かない。でも、隣にいるというだけで、会話が要らない会話がある」
いま、彼は会社でも昼に20分眠る。会議室の予定表に「仮眠」と書く。「眠りを恥ずかしがるのをやめたら、いろんなことが楽になりました。眠りの話は、結局、関係の話なんです」
寝室が分かれる
主人公は別々の部屋で過ごす暮らしを始める。
会話を振り返る
寝る前と起きた後に交わしていた言葉を思い出す。
関係を考える
物語は、眠る場所から二人の関係へと視点を移す。
編集部作成。架空の物語の展開を整理しています。実用上の推奨、製品効果や健康・遮音性能の根拠を示すものではありません。
この物語の人物・会話・設定は創作です。実在の人物への取材や、耳栓の効果を検証した記録ではありません。
本記事は編集部が構成した架空の物語です。特定の実在の人物・団体を描いたものではなく、製品の効果を実証する取材・試験記録ではありません。
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